注意していただきたいのは、処分を受けるのが「発注した側」だということです。
無許可業者に出してしまった元請が、許可行政庁から指示処分を受けます。 相手だけの問題ではありません。
この記事では、①元請が受ける処分 ②無許可業者側の罰則 ③出す前に確認する方法を、条文つきで整理します。
結論
法律違反!
建設業許可を受けていない無許可の建設業者に請負金額500万円以上の専門工事を発注した場合
建設業法第28条に違反する可能性があります
この場合1年以内の営業停止処分を命ずることができるとされています!
特に重い場合
建設業許可を取り消すことも可能です
また無許可業者に工事を発注するにあたって
1件あたり500万円未満になるように契約書を分割するのもNGです!
分割して請け負ったとしても実態が1つの請負契約であれば無許可で500万円以上の建設工事を請け負ったことと同じになるわけです!
ただし無許可で行うことができる工事もあります
【建設業許可がいらない工事】
建築一式工事については
工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
建築一式工事以外の建設工事については
工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事
詳しくは以下のホームページから最新情報をご覧ください。
発注した「元請」が処分の対象になります
根拠は建設業法28条1項6号です。指示処分ができる場合として、こう書かれています。
六 建設業者が、第三条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結したとき。
「無許可業者と下請契約を結んだこと」そのものが、処分の理由として条文に書いてあります。
補足:28条は「違反」の条文ではなく「処分」の条文です
本文で「建設業法第28条に違反する」と書きましたが、正確には少し違います。28条は、許可行政庁が指示処分などをできる場合を定めた条文です。違反しているのは3条1項(無許可営業)のほうで、元請はそれに関わったことで28条の処分対象になる、という構造です。
結論(処分を受ける)は変わりませんが、条文の読み方として補足しておきます。
処分はこの順で重くなります
| 段階 | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| ① 指示処分 | 「直しなさい」という命令 | 28条1項6号 |
| ② 営業停止 | 指示に従わないとき。1年以内の期間を定めて、営業の全部または一部の停止 | 28条3項 |
| ③ 許可の取消 | 重い場合 | 29条 |
条文(28条3項)はこうです。
…第一項各号のいずれかに該当するとき若しくは同項…の規定による指示に従わないときは、その者に対し、一年以内の期間を定めて、その営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
処分は会社名入りで公表されます。 入札の指名や、取引先との関係に直接響きます。
無許可業者の側にも、当然に罰則があります
建設業法47条1項1号です。
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 一 第三条第一項の規定に違反して許可を受けないで建設業を営んだとき。
法人には別枠で最大1億円(53条1号・両罰規定)。さらに罰金刑を受けると5年間は許可が取れません(8条8号)。
そして知事は、無許可で営業している者に対しても直接指示を出せます(28条2項)。
下請に出す前に、許可の有無はこう確認します
3つあります。いちばん確実で早いのは①です。
- 国土交通省の検索システムで調べる … 建設業者・宅建業者等企業情報検索システム。会社名や許可番号から、許可の有無・業種・許可年月が誰でも確認できます
- 許可通知書の写しをもらう … 業種と有効期間まで分かります
- 建設業の許可票(金看板)を見る … 営業所には掲示義務があります
★大事なのは「業種が合っているか」です。 許可を持っていても、出そうとしている工事の業種の許可が無ければ、その工事については無許可です。「建設業許可はあります」だけでは足りません。許可票や通知書で業種まで確認してください。
500万円未満なら問題ありません。ただし数え方に注意です
| 工事の種類 | 許可がいらない範囲(軽微な建設工事) |
|---|---|
| 建築一式工事 | 1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅 |
| 建築一式以外 | 1件の請負代金が500万円未満 |
- 金額は税込で判定します。 国土交通省も「上記金額には取引に係る消費税及び地方消費税の額を含みます」と明記しています
- 材料を支給したときは、その材料費と運送費も足します。 手間だけのつもりでも超えることがあります
- 契約を2本に分けても、実態が1つの請負契約なら1件とみられます(本文のとおりです)
特定建設業の話は、これとは別です
混同されやすいので分けて書きます。
自社が元請で、下請に出す総額が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)になる場合は、特定建設業の許可が必要です(令和7年2月1日〜)。これを持たずに下請契約を結ぶと、建設業法16条違反として、47条1項2号で同じ罰則(3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)の対象になります。
「下請が許可を持っているか」と「自社が特定建設業か」は、別々に確認してください。
熊本県での話です。ただし法律は全国共通です
28条も47条も建設業法なので、どの都道府県でも同じです。処分の運用と窓口だけが県ごとに違います。熊本県知事許可の窓口は熊本県土木部監理課建設業班(096-333-2485)です。
「この下請さん、許可あるのかな」と思ったら、出す前にご相談ください。 調べるだけなら数分で終わります。
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