結論から言うと、原則は出られません。ただし例外が2つあります。
そして令和6年12月13日に、この論点は大きく変わりました。 名前が「専任技術者」から「営業所技術者」になり、同時に法律上の兼務の特例(建設業法26条の5)ができています。
古い記事のままだと金額が合いません。この記事では、①原則 ②昔からある例外 ③令和6年12月13日から始まった新しい特例の3つを、条文の根拠と金額つきで分けて説明します。
結論 本当!ただし例外アリ!
専任技術者は基本的には現場に出ることができません
理由は営業所で事業全体の技術面を管理するのが仕事だからです!しかし、経験豊富な専任技術者が現場に出れないのは非常にもったいないうえに
人手不足の原因にもなりかねません!
そこで今から言う3つの条件を満たしていれば
専任技術者と主任技術者を兼ねることができます!
- ①当該営業所において請負契約が締結された建設工事であること
- ②工事現場と営業所が近接し、当該営業所との間で常時連絡を取りうる体制にあること
- ③現場への専任が必要となる工事で、請負代金が4,500万円以上でないこと(建築一式は9,000万円以上)
- まず、名前が変わりました。いまの正式名称は「営業所技術者」です
- 原則:営業所に専任だから、現場には出られません
- 例外①:現場への専任が要らない工事なら、主任技術者を兼ねられます
- 例外②:令和6年12月13日から、専任が必要な現場でも兼務できるようになりました
- まとめ:3つを混同しないでください
- 熊本県での話です。県によって確認のしかたが違います
- あわせて読みたい
- 一人親方・小さな会社ほど、この論点は切実です
- 当事務所のご紹介
①当該営業所において請負契約が締結された建設工事であること
②工事現場と営業所が近接し、当該営業所との間で常時連絡を取りうる体制にあること
同一市町村内または10㎞以内が一応の目安になりますが、明確な基準はありません!
③現場への専任が必要となる工事で、請負代金が4,500万円以上でないこと(建築一式は9,000万円以上)
現場への専任が必要になる工事とは
公共性のある工作物に関する重要な工事のことです!
公共性とは
公共工事のことではなく、多くの人の生活にかかわる工事を意味します!
したがって、
個人住宅の建築を除くほとんどの工事が「現場への専任が必要になる工事」に該当します!
詳しくは以下のホームページから最新情報をご覧ください。
まず、名前が変わりました。いまの正式名称は「営業所技術者」です
令和6年12月13日から、建設業法の条文が「専任技術者」ではなく「営業所技術者」になりました。 特定建設業の場合は「特定営業所技術者」です。
| 令和6年12月12日まで | 令和6年12月13日から | |
|---|---|---|
| 一般建設業 | 専任技術者 | 営業所技術者 |
| 特定建設業 | 専任技術者 | 特定営業所技術者 |
要件そのものは変わっていませんが、様式が変わっています。古い様式を流用すると差し戻されます。
以下、検索されている言葉に合わせて「専任技術者」と書きますが、正式名称は営業所技術者だと思って読んでください。
原則:営業所に専任だから、現場には出られません
営業所技術者は、その営業所で建設工事の請負契約の締結と履行について、技術面の管理をする人です。営業所に常勤して専任することが許可の条件になっています。
一方、工事現場には主任技術者(または監理技術者)を置かなければなりません。
この2つを同じ人が両方やると、どちらも「専任」になりません。 だから原則として、営業所技術者は現場に出られない、という話になります。
例外①:現場への専任が要らない工事なら、主任技術者を兼ねられます
上に書いた3つの条件がこれです。ポイントは③の「現場への専任が必要となる工事でないこと」で、これは金額で決まります。
現場への専任が必要になる金額(令和7年2月1日〜)
| 工事の種類 | 現場への専任が必要になる請負代金 |
|---|---|
| 建築一式工事 | 9,000万円以上 |
| 建築一式以外 | 4,500万円以上 |
建設業法施行令27条に、こう書かれています。
法第二十六条第三項の政令で定める重要な建設工事は、次の各号のいずれかに該当する建設工事で工事一件の請負代金の額が四千五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、九千万円)以上のものとする。
この金額は近年2回上がっています。ここを間違えている記事がとても多いところです。
| 時期 | 一般の工事 | 建築一式工事 |
|---|---|---|
| 〜令和5年1月 | 3,500万円以上 | 7,000万円以上 |
| 令和5年1月〜令和7年1月 | 4,000万円以上 | 8,000万円以上 |
| 令和7年2月1日〜(現在) | 4,500万円以上 | 9,000万円以上 |
3,500万円・4,000万円と書いてある解説はすべて古い数字です。 当サイトの本文も、2024年の公開時は4,000万円と書いていました。現在の正しい数字は4,500万円(建築一式9,000万円)です。
ただし、金額だけでは決まりません
施行令27条の対象になるのは「公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事」です。具体的には、国や地方公共団体が注文者の工事、学校・病院・工場・店舗・共同住宅など、多くの人が使う建物の工事が広く入ります。
「公共工事」という意味ではありません。 民間工事でも入ります。逆に個人住宅の建築はここに入りません。
つまり実務では、個人住宅を除くほとんどの工事が、4,500万円以上なら「現場に専任が必要な工事」になる、という感覚で見ておくと外しません。
例外②:令和6年12月13日から、専任が必要な現場でも兼務できるようになりました
ここが新しい話です。 建設業法に26条の5「営業所技術者等に関する主任技術者又は監理技術者の職務の特例」が新設され、令和6年12月13日から施行されています。
例外①は「専任が要らない小さい工事なら兼ねてよい」でしたが、26条の5は「専任が必要な工事でも兼ねてよい」という、まったく別の話です。
そのかわり、条件がかなり細かく決められています。
| 何を | 条件 | 根拠 |
|---|---|---|
| 契約 | その営業所で締結した請負契約に係る工事であること | 法26条の5第1項1号 |
| 金額 | 請負代金が1億円未満(建築一式は2億円未満) | 施行令33条 |
| 現場の数 | 兼ねられる工事現場は1つまで | 法26条の5第2項・施行令34条 |
| 距離・時間 | 営業所と現場の距離が1日の勤務時間内に巡回可能で、災害や事故が起きたときの移動時間がおおむね2時間以内 | 施行規則17条の5第1号 |
| 下請 | 下請契約は3次下請までに限られること | 施行規則17条の5第2号 |
| 連絡要員 | 営業所と現場の両方に、連絡などの措置を講ずる人を置くこと(土木一式・建築一式は実務経験1年以上の人に限る) | 施行規則17条の5第3号 |
| 施工体制 | 現場の施工体制を情報通信技術で確認できる措置を講じていること | 施行規則17条の5第4号 |
| 計画書 | 人員の配置を示す計画書を作り、現場に備え置き、帳簿と同じ期間、営業所で保存すること | 施行規則17条の5第5号 |
| ICT機器 | 営業所から現場の状況を確認できる映像と音声の送受信ができる情報通信機器と、それを使える通信環境があること | 施行規則17条の6 |
監理技術者を兼ねる場合は、さらに条件が付きます
特定営業所技術者が監理技術者の職務を兼ねる場合は、その人が監理技術者資格者証の交付を受けていて、監理技術者講習を受講済みであることが必要です(法26条の5第3項)。
実務としてどう見るか
「カメラを付ければ兼務できる」という単純な話ではありません。 現場に連絡要員を置き、人員配置計画書を作って保存し、下請は3次までに抑える必要があります。書類と体制の準備が要る制度です。
一方で、営業所と現場が2時間圏内で、1億円未満の工事が1本という状況なら、はっきり使えます。技術者が足りない会社にとっては、知っておく価値のある制度です。
まとめ:3つを混同しないでください
| 対象になる工事 | 兼ねられる相手 | 金額の線 | |
|---|---|---|---|
| 原則 | すべて | 兼ねられない | - |
| 例外①(従来からの取扱い) | 現場専任が要らない工事 | 主任技術者 | 4,500万円未満(建築一式9,000万円未満) |
| 例外②(法26条の5・令和6年12月13日〜) | 現場専任が必要な工事でも可 | 主任技術者・監理技術者 | 1億円未満(建築一式2億円未満)/現場は1つまで |
4,500万円と1億円は、まったく別の場面で出てくる金額です。 ここを取り違えると話が合わなくなります。
熊本県での話です。県によって確認のしかたが違います
金額と条件は法律・政令・省令で決まっているので全国共通ですが、申請や届出のときに何を出させるかは、都道府県によって違います。
たとえば営業所技術者の常勤性を確認する書類は、熊本県では賃金台帳・出勤簿・源泉徴収簿などでも通りますが(健康保険証は令和7年12月2日から使えません)、県によってはこれらを認めず、年金事務所や税務の記録に絞っているところもあります。
26条の5の特例を使うときの計画書の書き方や確認の求められ方も、申請先の手引きを確認してください。
あわせて読みたい
一人親方・小さな会社ほど、この論点は切実です
一人親方や少人数の会社では、営業所技術者が現場作業員を兼ねているのが普通です。 「原則は現場に出られません」と言われても、実際には出ないと仕事が回りません。
だからこそ、例外の要件を正確に押さえておく価値があります。
例外①を、4つの条件に分けて整理すると
上の3要件は、実務では次の4つに分けて確認しています。中身は同じです。
| # | 条件 | 確認するところ |
|---|---|---|
| ① | 現場の専任性が求められていない工事であること | 請負代金が4,500万円未満(建築一式は9,000万円未満)か |
| ② | その営業所で契約した工事であること | 契約書の締結営業所 |
| ③ | 営業所技術者の本来の職務を果たせる、近接した現場であること | 同一市町村内または10km以内が一応の目安 |
| ④ | 所属の営業所と常時連絡が取れること | 携帯・オンラインでの連絡体制 |
③と④に明確な数値基準はありません。 「同一市町村内または10km以内」はあくまで目安で、条文にも通知にも書かれていません。判断に迷う距離のときは、申請先に確認してください。
なお、令和6年12月13日から始まった建設業法26条の5の特例のほうは、③にあたる部分が条文で数値化されています(1日の勤務時間内に巡回可能/災害等の発生時の移動時間がおおむね2時間以内)。こちらを使うなら、上の表ではなく26条の5の要件表のほうを見てください。
★税込4,000万円と書いてある解説は古い数字です
以前は「税込4,000万円未満」と説明されていましたが、令和7年2月1日から4,500万円(建築一式9,000万円)に上がりました。 当サイトでも以前は4,000万円と書いていました。現在の正しい数字は4,500万円です。
判定は請負代金の額で行います。消費税を含めるかどうかは工事ごとの契約内容によるので、境目に近い金額のときは契約書の金額で申請先に確認してください。
当事務所のご紹介

当事務所では、建設業許可を中心に変更届・経営事項審査・産業廃棄物関係の許可・申請書の作成代行を行っています。また、令和5年1月からスタートした電子申請(JCIP)にも対応しており、お客様に寄り添ったサービスを提供しております。
当社は行政書士としては数少ない経済産業省認定の「認定経営革新等支援機関」です。数多くの事業者様の支援をしてきた経験からご依頼者様のお悩みをワンストップで解決出来ることが強みです
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