「電気工事業で建設業許可を取ったから、これで電気工事ができる」
これは違います。 もうひとつ、別の法律の手続きが必要です。
建設業法と電気工事業法は別の法律です
電気工事は、知識や技術がない状態でやると火災や感電につながります。だから建設業法とは別に、電気工事業法(電気工事業の業務の適正化に関する法律)という法律で規制されています。
つまり、電気工事をするには2つの法律の両方をクリアする必要があります。
| 法律 | 必要なもの |
|---|---|
| 建設業法 | 電気工事業の建設業許可(500万円以上の工事をするなら) |
| 電気工事業法 | 電気工事業者の登録または届出 |
建設業許可があるなら「みなし登録電気工事業者」の届出
ここがややこしいところです。建設業許可を持っているかどうかで、手続きの名前が変わります。
| 手続き | |
|---|---|
| 建設業許可がある | みなし登録電気工事業者の届出(電気工事業法第34条) |
| 建設業許可がない | 登録電気工事業者の登録(同法第3条) |
建設業許可を持っている人は「登録」ではなく「届出」になります。名前に「みなし」が付くのはこのためです。
建設業許可があるからといって、この届出が省略されるわけではありません。 別途必要です。
届出のときに必要な3つ
①主任電気工事士の設置
一般用電気工作物(一般家庭や小規模店舗の電気設備)の工事をする営業所ごとに、主任電気工事士を置く必要があります。
なれるのは次のどちらかです。
- 第一種電気工事士の免状を持っている人
- 第二種電気工事士の免状を取得後、一般用電気工作物について3年以上の実務経験がある人
営業所ごとです。営業所が2つあれば2人必要です。
②器具の備付け
営業所ごとに、法律で定められた測定器具をそろえる必要があります。
一般用電気工作物の工事をする営業所なら、
- 絶縁抵抗計
- 接地抵抗計
- 回路計(抵抗および交流電圧を測定できるもの)
自家用電気工作物(高圧受電など)も扱う営業所は、これに加えて低圧検電器・高圧検電器・継電器試験装置・絶縁耐力試験装置が必要になります。
届出のときに器具の明細書を出すので、「持っているつもり」では通りません。
③帳簿の備付けと標識の掲示
- 帳簿:営業所ごとに備え、施工した電気工事の内容を記載して5年間保存
- 標識:営業所と工事現場ごとに、氏名・登録番号などを記載した標識を掲げる
まとめ
電気工事をやりたい ↓ ① 建設業許可(電気工事業) ← 500万円以上の工事をするなら ② みなし登録電気工事業者の届出 ← 建設業許可があってもこれは別途必要 ├ 主任電気工事士を営業所ごとに ├ 測定器具を営業所ごとに └ 帳簿と標識
②を忘れたまま工事をしている会社が、実際にあります。 建設業許可を取った時点で「終わった」と思ってしまうためです。
なお、届出先や様式の細かいところは都道府県によって違います。 熊本県の場合は県の産業支援課などが窓口です。他県の場合は、必ず申請先の案内を確認してください。
当法人のご紹介
ノーサイド行政書士法人は、熊本県全域の建設業許可(新規・更新・業種追加)、経営事項審査、事業年度終了届、解体工事業の登録などを扱う行政書士法人です。経済産業省の認定経営革新等支援機関で、電子申請(JCIP)にも対応しています。
熊本県内どこからでもお受けしています。書類のやりとりは郵送とLINEでできます。受付は平日10:00〜17:00です。
手続きの解説動画は、YouTube「建設業許可・経審のプロ ゆうせい行政書士」でもご覧いただけます。
この手続きのご依頼について
この記事の手続きは、建設業許可(新規)のページで、要件・必要書類・費用・流れをまとめています。


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