熊本県の工事の格付申請とは|令和9・10年度は12月までに加点の準備を

熊本県の工事の格付申請とは|令和9・10年度は12月までに加点の準備を 経審・公共工事

熊本県が発注する土木一式・建築一式・舗装・電気・管の5業種の工事では、会社ごとに「A」「B」「C」といった等級が付いています。これを「格付」と言います。どの等級になるかで、入札に参加できる工事の金額が変わります。

令和9・10年度(2027・2028年度)の格付のための申請(格付に係る技術事項等評価項目の申請)は、令和8年(2026年)12月ごろに要領が出る予定です。ただ、要領が出てから準備を始めたのでは間に合わない項目があります。この記事では、格付の仕組みと、いまから12月までにできる加点の準備をまとめました。

この記事のポイント

  • 格付は、経審の総合評定値に「技術事項等評価点数」を足した点数で決まります
  • 令和9・10年度の格付申請の要領は、令和8年12月ごろに公表される予定です。受付期間もそのときに決まります
  • 技術事項等の点数は、資格を認定したときのものが2年間変わりません(前回の扱い)
  • 加点の項目には「◯月◯日現在」の基準日があります。前回と同じ並びなら、12月末・1月末が基準日の項目は、いまから動けば間に合います
  • 格付申請は、入札参加資格(指名願・締切12月18日)とは別の手続きです

格付とは|等級で入札に参加できる工事の金額が決まります

格付は、熊本県内に主たる営業所がある会社が、次の5業種で入札参加資格を申請したときに行われます。熊本県工事入札参加者資格審査格付要綱の別表に、等級ごとの工事の金額が決められています。

工事の種類等級工事の請負対象金額
土木一式工事A17,000万円以上
A21,500万円以上7,000万円未満
B500万円以上1,500万円未満
C500万円未満
建築一式工事A11億3,200万円以上
A25,500万円以上1億3,200万円未満
B2,750万円以上5,500万円未満
C1,100万円以上2,750万円未満
D1,100万円未満
舗装・電気・管工事A1,100万円以上
B330万円以上1,100万円未満
C330万円未満

この5業種以外の業種や、県外に主たる営業所がある会社は、格付ではなく経審の結果による順位付けになります。

等級は「経審の点数+技術事項等の点数」で決まります

格付の点数(総合点数)は、次の2つを足したものです。

  1. 経審の総合評定値(P点)
  2. 技術事項等評価点数…県の工事成績や、防災協定・消防団・新規学卒者の雇用などの取り組みを点数にしたもの

この総合点数で等級が決まります。参考に、令和8年度の格付基準に載っている点数の区切りはこうなっています。

等級土木一式建築一式舗装電気管
A11,432点以上1,218点以上---
A2(舗装・電気・管はA)1,049点以上1,002点以上1,260点以上1,039点以上984点以上
B715点以上829点以上944点以上836点以上816点以上
C715点未満712点以上944点未満836点未満816点未満
D-712点未満---

令和9・10年度の区切りの点数は、あらためて定められます。経審の点数だけでは上の等級に届かない会社でも、技術事項等の点数で届くことがある、というのが格付申請の意味です。

技術事項等の点数は2年間変わりません

ここが格付申請でいちばん大事なところです。令和8年度の格付基準には、令和7・8年度の資格を持つ会社について、次のように書かれています。

技術事項等評価点数は令和7・8年度資格認定時のものを変更しない。

経審の点数は2年目に最新のものへ入れ替わりますが、技術事項等の点数は、資格を認定したときのまま2年間使われます(合併などの特例がある場合を除く)。令和9・10年度も同じ扱いなら、この格付申請で取りこぼした加点は、令和11年3月まで取り戻せないことになります。

加点になる項目(前回の基準)

令和8年度の格付基準に載っている技術事項等の項目と点数のうち、主なものです。令和9・10年度の項目と点数は12月ごろの要領で決まりますが、前回の中身を知っておくと準備の見当がつきます。

項目点数(前回の基準)前回の基準日・期間
県との防災協定20点(県内市町村とだけなら5点)9月30日現在
ブライト企業の認定20点翌年1月31日現在
熊本県SDGs登録制度の登録5点翌年1月31日現在
消防団に入団している従業員・役員1人2点・2人3点・3人以上4点12月31日現在
消防団協力事業所の認定1点12月31日現在
保護観察者の協力雇用主の登録5点12月31日現在
新規学卒者の雇用1人4点(16点まで)12月31日現在
若年者の定着1人3点(12点まで)9月30日現在
障がい者の雇用5点6月1日現在
育児休業制度と介護休業制度(就業規則)5点9月30日現在
事業活動温暖化対策計画・エコ通勤環境配慮計画各計画2点9月30日現在
不当要求防止責任者講習の受講3点12月31日までの5年間
熊本県建設技術センター主催の研修会への出席1人1点(10点まで)12月31日までの2年間
建設業労働災害防止協会などの講習・安全衛生教育の受講1人1点(10点まで)12月までの2年間
新分野進出10点12月31日までの2年間
特許・NETIS・熊本県新技術1件10点・5点・3点12月31日までの5年間
大臣・知事の表彰1件10点12月までの2年間

このほか、県の工事の工事成績、公共工事の完成工事高、総職員数、舗装・電気・管の専門工事の完成工事高などの項目があります。障がい者の雇用と育児・介護休業制度の5点は、ブライト企業で加点される場合は加点しないとされています。

12月までに間に合う準備

前回の基準では、項目ごとに「9月30日現在」「12月31日現在」「翌年1月31日現在」と基準日が分かれていました。令和9・10年度も同じ並びなら、9月30日現在の項目(防災協定・若年者の定着・育児介護休業制度など)は、もう今からは動かせません。 一方で、12月末と1月末が基準日の項目は、いまから動けば間に合う可能性があります。

1月末が基準日だったもの|ブライト企業・熊本県SDGs登録

ブライト企業の認定は20点で、項目の中でも大きい加点です。熊本県SDGs登録制度の登録は5点です。どちらも前回は「翌年1月31日現在」でした。認定・登録には申請から時間がかかるので、狙うならいますぐ申し込みの準備を始めることをおすすめします。

12月末が基準日だったもの|消防団・協力雇用主

従業員や役員が消防団に入っていれば、人数に応じて最大4点です。消防団協力事業所の認定(1点)、保護観察者の協力雇用主の登録(5点)も、前回は12月31日現在でした。

期間の中での実績|講習と研修会

不当要求防止責任者講習(3点)は、前回は令和3年1月1日から令和7年12月31日までの5年間に受講させた実績が対象でした。熊本県建設技術センター主催の研修会と、建設業労働災害防止協会熊本県支部などの講習は、前回は2年間の出席人数で、1人1点・最大10点でした。年内に受けられる講習がないか、いまのうちに日程を確かめておくとよいです。

書類を探しておく

加点を申請する項目には、それを裏づける書類を付けます。たとえば育児休業・介護休業制度なら就業規則(規程)、協定や認定なら協定書や認定の通知です。要領が出てから書類を探し始めると、受付期間に間に合わないことがあります。 いまのうちに、会社にある協定書・認定証・講習の修了証をまとめておくと安心です。

格付申請と指名願は、別の手続きです

熊本県の入札参加資格(指名願)は、令和9・10年度の分の受付が令和8年12月18日(金)までです。格付申請は、この指名願とは別に、12月ごろに出る要領に沿って申請します。令和9・10年度の熊本県の工事入札参加者資格審査申請要領には、こう書かれています。

入札参加者資格審査における格付に係る技術事項等評価項目の申請を行う者は、別に定める申請要領に基づき申請すること。別に定める申請要領は、令和8年(2026年)12月頃に定め、熊本県公報及び熊本県ホームページ等において公表するものとする。

格付5業種で技術事項等の加点を受けたい会社は、12月18日までに指名願を出したうえで、格付申請も出すことになります。指名願の詳しい出し方は、熊本県の入札参加資格(指名願)申請方法と期間|令和9・10年度は12月18日締切にまとめています。

よくある質問

格付申請の受付期間はいつですか

令和9・10年度の分は、まだ公表されていません。要領は令和8年12月ごろに熊本県公報と熊本県のホームページで公表される予定です。前回の令和7・8年度は、12月には県のホームページに要領が出ていて、当法人も年明けの1月に申請しています。

いまの自社の等級はどこで分かりますか

熊本県のホームページに、令和8年度の有資格者名簿(等級順位順・格付5業種)が公表されています。熊本県電子入札システムの入札情報公開サービスでも、等級・点数・順位を検索できます。

2年目に等級を上げることはできますか

2年目は、経審の点数が最新のものに入れ替わって格付がやり直されます。一方で、技術事項等の点数は資格を認定したときのままです。2年目に点数を上げる手段は、実質的に経審の点数ということになります。

2年目に経審を受けなかったらどうなりますか

令和8年度の格付基準では、その年度の経審の結果を持っていない会社は、経審の点数を0点として格付するとされています。経審は毎年欠かさず受けてください。

県外に本店がある会社も格付申請をしますか

格付は、熊本県内に主たる営業所がある会社が対象です。県外に主たる営業所がある会社は、経審の結果による順位付けになります。

出典・参考

まとめ

  • 格付は、経審の総合評定値+技術事項等評価点数で決まり、等級で入札に参加できる工事の金額が変わります
  • 令和9・10年度の格付申請の要領は、令和8年12月ごろ公表予定です
  • 技術事項等の点数は、前回は2年間変わらない扱いでした。取りこぼすと2年間取り戻せません
  • 前回と同じ並びなら、ブライト企業・SDGs登録(1月末)、消防団・協力雇用主(12月末)、講習・研修会(期間内の実績)は、いまから動けば間に合う可能性があります
  • 加点の裏づけになる書類は、要領が出る前にそろえておきましょう

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ノーサイド行政書士法人は、熊本の建設業許可・経営事項審査・入札参加資格申請を扱う行政書士法人です。

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  • 12月に要領が出たら、令和9・10年度の受付期間と項目をこの記事にも書き足します

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