熊本で工事の実績が何年も無い会社でも、建設業許可は更新できる?

熊本で工事の実績が何年も無い会社でも、建設業許可は更新できる? 更新・変更届

「ここ何年か、工事をほとんど受けていません。それでも建設業許可は更新できますか」

先代から続く許可を守りたい会社や、いまは小さな工事が中心になっている会社から、更新の時期にこのご質問をいただきます。

結論から書きます。建設業許可の基準に、工事の実績(件数や金額)は入っていません。工事が無い年が続いていても、更新はできます。 ただし、工事が無い年も毎年の事業年度終了届を出していること、経営業務の管理責任者と営業所技術者がいまも常勤していることが前提です。

この記事では、更新で見られるもの、工事が無い年に気をつけることを順に説明します。

この記事のポイント

  • 許可の基準(建設業法第7条)は、経営業務の管理体制・営業所技術者・誠実性・財産的基礎で、工事の実績は入っていません
  • 更新の申請では、工事経歴書と直前3年の工事施工金額の書面を付けなくてよいことになっています(建設業法第6条第2項)
  • そのかわり、工事が無い年も事業年度終了届は毎年出します。 出していない届があると、更新を受け付けてもらえません
  • 工事が無くても、経営業務の管理責任者と営業所技術者は常勤のままでいる必要があります

許可の基準に「工事の実績」はありません

建設業許可の4つの基準と、工事の実績が基準に入っていないことを示す図

建設業法第7条は、許可を受けようとする者が次の基準に合っていなければ許可をしてはならない、と定めています。更新も同じ基準で見られます。

  1. 経営業務の管理を適正に行う能力(常勤役員等の経験と、健康保険・厚生年金保険・雇用保険への加入。建設業法施行規則第7条)
  2. 営業所ごとに専任の営業所技術者を置いていること
  3. 請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと
  4. 請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有しないことが明らかでないこと

どの基準にも、「毎年何件の工事をしていること」「完成工事高がいくら以上であること」という定めはありません。工事が少ない年や無い年があっても、それだけで許可の基準を欠くことにはなりません。

更新では、工事経歴書を付けなくてよいことになっています

新規と更新で、工事経歴書などの添付書類がどう違うかの比較

建設業法第6条第1項は、許可申請書に工事経歴書、直前3年の各事業年度における工事施工金額を記載した書面、使用人数を記載した書面などを付けるよう定めています。そのうえで同条第2項は、許可の更新を受けようとする者は、この3つを付けなくてよいとしています。

熊本県の「建設業許可に必要な書類【早見表】(R8.4~)」でも、更新の欄では、工事経歴書、直前3年の各事業年度における工事施工金額、財務諸表が「省略可」になっています。ただし、使用人数の書面(様式第四号)は、熊本県の早見表では更新でも「提出必要」になっているので付けます。更新の申請そのものでは、工事の件数や金額を一から並べ直すことはありません。

工事の記録が審査の場に出てくるのは、毎年の事業年度終了届のほうです。次の節で説明します。

工事が無い年も、事業年度終了届は毎年出します

工事が無い年も事業年度終了届を出すことと、未提出があると更新できないことを示す図

建設業法第11条第2項は、許可を受けた建設業者に、毎事業年度が終わってから4か月以内に、工事経歴書や財務諸表などを届け出るよう定めています。工事が無かった年を除く定めはありません。

熊本県の「建設業許可に係る留意事項」は、許可の有効期間内に出すべき届出書が出ていない場合は、更新や業種追加などの許可申請はできないとしています。工事が無かったから届を出さなかった、という年があると、更新の前にその年の分から出し直すことになります。

工事が無い年でも決算はあるので、財務諸表と事業税の納税証明書(知事許可の場合)は工事があった年と同じように用意します(建設業法施行規則第10条第1項)。工事経歴書は、前の事業年度に完成した工事と、その事業年度の末に完成していない工事を書く書類です(熊本県が公開している工事経歴書の記載要領)。当法人では、工事が無かった年は、そのことが分かる形で工事経歴書を作って出しています。

工事が無くても、経営業務の管理責任者と営業所技術者は常勤のまま

工事が無い期間も続ける必要がある3つのこと(経管と営業所技術者の常勤・人が替わったときの届出・毎年の事業年度終了届)

工事が少ない時期に、営業所技術者が退職したり、経営業務の管理責任者だった役員が非常勤になったりすることがあります。建設業法第29条第1項第1号は、経営業務の管理体制(第7条第1号)か営業所技術者(第7条第2号)の基準を満たさなくなった場合は、許可を取り消さなければならないとしています。

基準を満たさなくなったときは、2週間以内にその旨を届け出ます(建設業法第11条第5項)。代わりの営業所技術者を置いたときも、2週間以内に届け出ます(同条第4項)。工事が無い期間に人が入れ替わっていると、この届が抜けていることがあるので、更新の前に確かめます。

よくある質問

工事の実績が無くても建設業許可を更新できるかという質問への答え

工事が1つも無い年の工事経歴書は、どう書きますか

書く工事が無いので、工事が無かったことが分かる形で作って、財務諸表などと一緒に出します。工事経歴書は前の事業年度に完成した工事と、その事業年度の末に完成していない工事を書く書類なので、どちらも無ければ書く工事はありません。

500万円未満の工事しかしていません。それでも許可を持っている意味はありますか

許可が無くても請け負えるのは、1つの工事の請負代金の額が500万円未満(消費税込み。建築一式は1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅)の軽微な建設工事だけです。今後これより大きい工事を受ける見込みがあるかどうかで、更新するかを決めます。許可を持ち続ける間は、毎年の事業年度終了届も続けます。建設業をやめると決めたときは、30日以内に廃業の届出をします(建設業法第12条第5号)。

更新の時期は、県から知らせてもらえますか

知らせてもらえません。熊本県の「建設業許可に係る留意事項」は、県から改めて更新期限のお知らせはしないとしています。更新の申請は、許可の有効期間が満了する日の30日前までです(建設業法施行規則第5条)。

何年分も事業年度終了届を出していません。間に合いますか

出していない年の分を全部出し終えてからでないと、更新の申請はできません。決算書を取り寄せて建設業の様式に組み替える作業が年数分あるので、期限まで何日あるかと、何年分出していないかを先に確かめます。

出典・参考

まとめ

  • 建設業許可の基準に工事の実績は入っていないので、工事が無い年が続いていても更新はできます
  • 更新の申請では、工事経歴書と直前3年の工事施工金額の書面は付けなくてよいことになっています
  • 工事が無い年も事業年度終了届は毎年出します。出していない届があると更新を受け付けてもらえません
  • 建設業をやめると決めたときは、30日以内に廃業の届出をします
  • 経営業務の管理責任者と営業所技術者は、工事が無い期間も常勤のままでいる必要があります

工事が少ない会社の更新も、当法人にご相談ください

ノーサイド行政書士法人は、熊本の建設業許可・経営事項審査・入札参加資格申請を支援している行政書士法人です。

  • 毎年の事業年度終了届が全部出ているかを確かめ、出ていない年の分から順に作ります
  • 経営業務の管理責任者と営業所技術者がいまも要件を満たしているかを、更新の前に整理します
  • 更新するか、廃業の届出をするかを決めるところからお手伝いします

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