経審・入札参加資格をやめても大丈夫?続けるか決める前に考えること【熊本】

経審・入札参加資格をやめても大丈夫?続けるか決める前に考えること【熊本】 経審・公共工事

経営事項審査(経審)と入札参加資格の申請を続けてきたものの、入札で工事が取れていない。役所から来る仕事は草刈りや清掃などの業務委託ばかりで、経審を受けている意味があるのか分からない。そうした理由で「もうやめようか」と迷う会社があります。この記事では、続けるかやめるかを決める前に知っておきたいことを、建設業法と熊本県・熊本市の要領にそって整理します。費用の目安は、当法人の料金ページを見てください。

この記事のポイント

  • 経審が無いと受けられないのは、国や自治体などが発注する1件500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を元請で受けるときです
  • 経審の結果を使えるのは、審査基準日(決算日)から1年7か月です。決算ごとに受け続けないと、使えない期間ができます
  • やめたあとに再開するには、決算・経審・入札参加資格の定期受付を順番に待つことになり、すぐには戻れません
  • 草刈りや清掃などの業務委託は、工事とは別の資格です。熊本市の業務委託の資格には経審の結果は要りません
  • 経審をやめても、建設業許可がある限り、決算変更届は毎年出します

経審が無いと受けられない工事

経営事項審査を受けていないと請け負えない工事の条件
出典:建設業法27条の23、建設業法施行令45条

建設業法27条の23は、公共性のある施設や工作物の工事で政令で決めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、経審を受けなければならないとしています。その工事は、建設業法施行令45条で次のように決められています。

  • 発注者が国、地方公共団体、法人税法の公共法人など
  • 工事1件の請負代金の額が500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)
  • 災害などの応急の工事など、決められた例外にあたらないもの

つまり、経審が無くても、民間の工事や下請の工事、公共工事でも500万円に満たない元請の工事は受けられます。逆に、役所から直接、500万円以上の工事を受ける可能性が少しでもあるなら、経審が要ります。

やめると、いつから受けられなくなるか

経審の結果を使える期間と、受けるのをやめたときに空白ができる仕組み
出典:熊本県「経営事項審査申請の手引き(令和8年7月版)」

熊本県の手引きでは、経審の結果で公共工事の契約ができるのは、審査基準日(直前の決算日)から1年7か月の間に限られるとしています。だから毎年、決算ごとに経審を受けて、この期間が切れ目なく続くようにしておくのがふつうです。

経審をやめると、最後に受けた経審の審査基準日から1年7か月が過ぎた時点で、経審が要る工事は受けられなくなります。入札参加資格の名簿に名前が残っていても、経審の結果が切れていれば、その工事の契約はできません。

再開するまでにかかる時間

経審と入札参加資格をやめたあと再開するまでの流れ
出典:熊本県・熊本市の入札参加資格の要領

いったんやめてから「やはり入札に入りたい」となったときは、次の順番を待つことになります。

  1. 決算を迎える
  2. 決算変更届(事業年度終了届)を出す
  3. 経審を受けて、結果の通知を受け取る
  4. 入札参加資格の定期受付で申請する
  5. 資格の有効期間が始まる

時間がかかるのは4と5です。熊本県の入札参加資格は2年ごとで、令和9・10年度の分の受付は令和8年12月18日まで、資格は令和9年4月1日から始まります。熊本市の建設工事は令和9・10・11年度の3年分を一度に受け付け、受付は令和8年11月2日から令和9年1月29日までの予定です。熊本市は、この受付期間のほかに随時の申請は受け付けないとしています。

声がかかってから準備しても、決算と受付の時期が合わなければ、1年以上待つことがあります。やめるかどうかは、この「戻るまでの時間」も含めて考えます。

業務委託・物品は別の資格

工事の入札参加資格と業務委託の入札参加資格の違い
出典:熊本市 業務委託契約等競争入札参加資格審査申請要領(令和9・10年度)

役所の仕事でも、草刈りや清掃、設備の保守点検などは、工事ではなく業務委託として発注されることがあります。業務委託の入札参加資格は、工事の資格とは別の名簿で、申請も別です。

工事(熊本市)業務委託(熊本市)
資格の期間令和9・10・11年度令和9・10年度
定期受付令和8年11月2日〜令和9年1月29日(予定)令和8年9月1日〜9月30日
随時の申請受け付けない(今回の受付期間のみ)随時受付がある
経審要る要らない

熊本市の業務委託の要領は、対象から工事請負と工事に付帯する契約を除いており、提出書類にも経審の結果通知は入っていません。年度の途中でも随時受付で申請でき、その場合の資格は、原則として受理された月の翌々月の1日からです。仕事の大半が業務委託なら、工事の資格とは分けて、業務委託の資格をきちんと取っておくことが大事です。

続けるか、やめるかのてんびん

経審と入札参加資格を続ける場合とやめる場合を比べたてんびん

続けるかどうかは、毎年かかる手間と費用と、声がかかったときに受けられないことを比べて決めます。

続けるやめる
毎年の負担決算変更届に加えて、経審の手数料・経営状況分析の費用・書類づくり決算変更届だけ
役所から500万円以上の工事を直接受けられるか受けられる経審の期限が切れたら受けられない
再開するときそのまま決算・経審・定期受付を待つ

役所との取引がすでにある会社は、業務委託の実績で名前を知られ、工事の相談が来ることもあります。そのときに経審が切れていると、話があっても受けられません。逆に、元請で公共工事を受ける予定が当面まったく無く、業務委託の資格で足りている会社なら、工事の資格を休む判断もあり得ます。当法人では、決算書と過去の受注の内訳を見ながら、どちらがよいかを一緒に考えています。

当法人の手続きの費用は、料金ページに載せています。

よくある質問

経審と入札参加資格をやめるときのよくある質問

経審をやめたら、決算変更届も出さなくてよいですか

出す必要があります。建設業法11条2項は、許可を受けた建設業者に、毎事業年度が終わってから4か月以内に決算変更届を出すよう求めています。経審を受けるかどうかとは関係ありません。

1年だけ経審を休んで、翌年また受けられますか

受けられます。ただし、休んだ年の決算の分の経審が無いので、その間に経審の結果を使える期間が切れることがあります。また、入札参加資格は定期受付の時期が決まっているので、経審を再開しても、すぐに入札に入れるとは限りません。

入札参加資格だけ残して、経審をやめることはできますか

熊本県の入札参加資格は、決められた期間に審査基準日がある経審を受けていることが申請の条件です。資格を取ったあとに経審をやめると、経審が切れた時点から、経審が要る工事の契約はできなくなります。

出典・参考

まとめ

  • 経審が要るのは、国や自治体などから1件500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事を元請で受けるときです
  • 経審の結果は決算日から1年7か月。やめると、その期間が過ぎたところで受けられなくなります
  • 再開には、決算・経審・定期受付を待つ時間がかかります。熊本市の建設工事は、受付期間のほかの随時受付がありません
  • 業務委託は工事とは別の資格です。仕事の中心が業務委託なら、そちらの資格を確実に取ります
  • 経審をやめても、決算変更届は毎年出します

経審・入札参加資格を続けるかのご相談

ノーサイド行政書士法人は、熊本の建設業許可・経営事項審査・入札参加資格申請を支援している行政書士法人です。役所との取引の内容や決算の時期をうかがい、工事の資格と業務委託の資格をどう持つか、続けるならどの業種で受けるかを一緒に整理しています。

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