結論から言うと、出さないと「次の手続きが全部止まります」。
更新も、業種追加も、経営事項審査も受け付けてもらえません。そして建設業法には罰則の定めもあります。
期限は決算後4か月以内(建設業法11条2項)。毎年です。ここでは3つのデメリットと罰則、そして熊本県ならではの注意点を、条文つきで整理します。
結論、デメリットしかありません!
事業年度終了報告書とは、建設業許可を取得した業者が毎年1回決算終了後4ヵ月以内に提出する義務があるものです
「どうせ出さなくても大したことないんでしょ」
このように思っていませんか?
実は大きく分けて3つのデメリットがあります!
①更新申請の期限に間に合わない可能性が出る
建設業許可は5年に一回更新が必要なのですが、その際に5年分の事業年度終了報告書が必要になります
これを5年分まとめて行うとなると、専門家でない限りかなりの時間がかかります
申請期限を1日でも過ぎると受け付けてもらえないので気を付けましょう
②業種追加を受け付けてもらえない
事業拡大にともない、取引先から建設業許可の業種を追加するように言われた場合、事業年度終了届を出していないと受け付けてもらえません
これによって大事な取引機会を逃してしまう可能性もあります
詳しくは以下のホームページから最新情報をご覧ください。
③ 経営事項審査が受けられません
上の①②に続く3つ目がこれです。
事業年度終了報告書を出していないと、経営事項審査(経審)を受けられません。 経審を受けられないということは、公共工事を発注者から直接請け負えないということです。
そして熊本県には、もう一段きびしい事情があります。
熊本県は「受付月」が決まっているので、遅れが命取りになります
熊本県の経審は、決算月ごとに受付月が決まっています。 いつでも出せるわけではありません。
| 受付月 | 審査対象の決算月 | 受付月 | 審査対象の決算月 |
|---|---|---|---|
| 4月 | 10〜11月決算法人 | 9月 | 5月決算法人 |
| 5月 | 12月決算法人、個人 | 10月 | 6月決算法人 |
| 6月 | 12〜1月決算法人、個人 | 11月 | 7〜8月決算法人 |
| 7月 | 2〜3月決算法人 | 12月 | 9月決算法人 |
| 8月 | 4月決算法人 | 3月 | 受審要件を満たす者【予備日】 |
受付は各月の1日から20日までで、結果通知は受付月の翌月末です。
4月〜7月決算の会社は、法定期限どおりでは間に合いません
例:4月決算の会社
- 事業年度終了報告書の法定期限 … 8月末
- 経審の受付月 … 8月(1日〜20日)
法定期限どおり8月末に出していたら、8月の経審受付には間に合いません。 実務では「決算から3か月目に事業年度終了報告書、4か月目に経審」という流れで動かします。
つまり4月〜7月決算の会社は、1か月ほど前倒しが必要ということです。10月・12月決算の会社は、法定期限のままで足ります。
1回ずれると、翌年以降もずれます
経審の結果が使えるのは、審査基準日(決算日)から1年7か月です(建設業法施行規則18条の2)。
受付月を1回逃すと次の年まで待つことになり、「経審切れ」で公共工事を直接請けられない期間ができます。 ここは1年に1回しかチャンスがないので、遅れは翌年に持ち越されます。
罰則もあります(建設業法50条)
「出さなくても大したことない」ではありません。条文に罰則があります。
第五十条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。 二 第十一条第一項から第四項まで(略)の規定による書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出したとき。
事業年度終了報告書は、この建設業法11条2項の書類です。提出しないこと自体が対象になっています。
さらに法人の場合は、行為者だけでなく法人にも罰金刑が科されます(53条2号・両罰規定)。
※ 刑法の改正で、令和7年6月1日から「懲役」は「拘禁刑」に一本化されました。以前の解説で「6月以下の懲役」と書かれているのは同じ内容です。
実際にいきなり罰金になることは多くありませんが、指示処分や営業停止処分の対象にはなり得ます。 「知らなかった」で済む話ではない、とお考えください。
何を出すのか
事業年度終了報告書は、1枚の紙ではありません。毎年これだけのものを作ります。
- 工事経歴書(様式第二号)
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第三号)
- 財務諸表(貸借対照表・損益計算書・完成工事原価報告書・株主資本等変動計算書・注記表)
- 納税証明書
- 使用人数、令3条使用人、健康保険等の加入状況 など、変更があった項目の届出
このうち手間がかかるのが工事経歴書と財務諸表です。
財務諸表は、税理士さんが作った決算書をそのまま出すのではなく、建設業会計の様式に組み替える必要があります。完成工事高・完成工事原価(材料費・労務費・外注費・経費)に振り分け直す作業です。
「決算書を渡せば終わり」ではないので、5年分まとめてとなると本当に時間がかかります。
3年分たまっていても、出せます
さかのぼって出すことはできます。 実際、まとめてお受けすることがよくあります。
ただし、次のものが必要になります。
- その期ごとの決算書(税理士さんに依頼して取り寄せる)
- その期ごとの工事の記録(請求書や工事台帳)
古い期ほど資料が出てきません。 放置するほど難しくなるので、気づいた時点で動いてください。
更新の期限が近づいてから気づくと、間に合わないことがあります。 更新は許可の有効期間満了の日の30日前までに出さなければならず(建設業法施行規則5条)、その時点で未提出の期があると受け付けてもらえません。
熊本県での話です。県によって違います
「決算後4か月以内」と罰則は建設業法なので全国共通です。
一方、経審の受付月の割り当て、受付期間、様式は都道府県で違います。 ここに書いた受付月の表は熊本県の令和8年度のもので、毎年度更新されます。
申請先の都道府県の案内を必ず確認してください。
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当事務所のご紹介

当事務所では、建設業許可を中心に変更届・経営事項審査・産業廃棄物関係の許可・申請書の作成代行を行っています。また、令和5年1月からスタートした電子申請(JCIP)にも対応しており、お客様に寄り添ったサービスを提供しております。
当社は行政書士としては数少ない経済産業省認定の「認定経営革新等支援機関」です。数多くの事業者様の支援をしてきた経験からご依頼者様のお悩みをワンストップで解決出来ることが強みです
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