熊本の建設業許可通知書(JCIP)に印鑑も電子署名も無い。本物?

熊本の建設業許可通知書(JCIP)に印鑑も電子署名も無い。本物? 許可の取得

「電子申請で建設業許可が下りたのですが、届いた通知書に印鑑がありません。元請さんから、これは本物かと聞かれました」

建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)で許可を取った会社から、こうしたご相談をいただきます。紙の通知書を見慣れた方ほど、PDFの通知書に戸惑われます。

結論から書きます。熊本県知事の建設業許可通知書は、JCIPからダウンロードしたPDFそのものが正式な通知書です。 このPDFには、印影も電子署名もありません。「熊本県知事」と知事の氏名が文字で入っているだけですが、それで通知書として欠けているわけではありません。

この記事では、熊本県の許可通知書の受け取り方と、元請から聞かれたときの示し方、代理申請のときにお客様ご自身でダウンロードしていただく流れを説明します。

この記事のポイント

  • JCIPで電子ファイルでの受け取りを選ぶと、許可通知書はJCIPを通じてPDFで届きます。紙の通知書は届きません
  • 熊本県知事の許可通知書のPDFには、印影も電子署名もありません。それでも、このPDFが正式な通知書です
  • 熊本県の経審の結果通知書には電子署名が付いています。署名があるかどうかは、行政庁や通知書の種類で違います
  • 元請に示すときは、PDFを渡し、国土交通省の企業情報検索システムで許可番号や有効期間を見てもらえます
  • 代理申請のとき、制度上は代理人が通知書を受け取る設定もあります。ただし熊本県の場合は、許可通知書は申請した会社あてにだけ届くので、会社のGビズIDでログインしてダウンロードしていただきます

熊本県の許可通知書は、JCIPからダウンロードするPDFです

JCIPで建設業許可通知書を受け取る3つの方法(電子交付と書面交付)

JCIPでは、建設業許可の申請から許可通知書の受け取りまでをインターネットで行えます。通知書を受け取る方法は、申請のときに「通知書受領方法」で選びます。

国土交通省のJCIP操作マニュアルでは、通知書を受け取る方法は行政庁ごとに次の3つに分かれています。

  1. 基本は電子交付だが、申請者が希望すれば書面交付にも対応する
  2. 電子交付のみ
  3. 書面交付のみ

1の行政庁で電子ファイルでの受け取りを選ぶと、通知書は電子ファイルだけで交付され、紙の通知書は届きません。電子ファイルで受け取る場合、建設業許可の許可通知書と経営事項審査の結果通知書は、JCIPを通じて受け取ります。

許可が下りると、JCIPのマイページに「状態が発行済になりました。」などの通知が届きます。その通知から「申請・届出内容」画面を開き、「通知書ダウンロード」ボタンでPDFの許可通知書を受け取ります。このPDFが許可通知書そのものです。 紙の通知書の写しをPDFにしたものではありません。

熊本県の許可通知書には、印影も電子署名もありません

熊本県の建設業許可通知書と経審の結果通知書の違い(電子署名の有無)

熊本県知事の建設業許可通知書のPDFには、印影の画像も、電子署名もありません。「熊本県知事」と知事の氏名が文字で入っているだけです。熊本県の許可通知書は、この形で交付されています。

一方で、熊本県の経営規模等評価結果通知書(経審の結果通知書)のPDFには、熊本県の電子署名が付いています。地方公共団体組織認証基盤(LGPKI)による署名です。同じJCIPから受け取るのに、経審の通知書には署名があり、許可通知書には無いので、戸惑う方がいます。

他の県では、許可通知書に知事の電子署名が付いている例もあります。電子署名が付くかどうかは、行政庁や通知書の種類によって違います。 熊本県の許可通知書に署名が無いことは、本物かどうかとは関係がありません。

電子署名が付いている通知書の見方

経審の結果通知書のように電子署名が付いている通知書は、Adobe Acrobat Readerで開き、「署名パネル」から「署名のプロパティを表示」を開くと、署名の中身を見られます。国土交通省のJCIP操作マニュアル(別紙「JCIP電子署名検証方法例」)は、これで改ざんされていないこと、発行元が地方整備局長または都道府県知事等であること、署名に使われた証明書が失効していないことを確かめられるとしています。

申請書の控えにも、受付印はありません

紙の申請では、窓口で受付印を押した副本が返ってきました。JCIPで電子申請した書類には受付印は押されません。国土交通省は、行政庁で受付が完了した書類には左肩に申請番号等が印字されるとし、それで真正性を確かめるよう案内しています。

元請から「本物か」と聞かれたら

元請から許可通知書が本物か聞かれたときに示す3つの方法

元請や取引先に許可を示すときは、次の順で考えます。

  1. JCIPからダウンロードしたPDFを、そのまま渡す。 これが正式な通知書です。印影や署名が無いことは、熊本県の許可通知書ではふつうのことだと添えます
  2. 国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で見てもらう。 商号や許可番号で検索すると、許可番号・許可を受けた業種(一般か特定か)・許可の有効期間などが表示されます
  3. 紙の公的な証明が要るなら、許可証明書を取る。 熊本県知事許可なら、熊本県に「建設業許可証明書」の発行を申請できます

企業情報検索システムの掲載情報は、建設業者は月2回の頻度で更新されます。許可が下りた直後は、まだ載っていないことがあります。そのときは、PDFの通知書を渡すか、許可証明書を使います。

熊本県は、建設業許可通知書を再発行していません。通知書を失くしたときや、公的な証明が要るときは、建設業許可証明書を使う案内になっています。ダウンロードしたPDFは、社内で決めた場所に保存しておきます。

代理申請のとき、熊本県の場合はお客様ご自身にダウンロードしていただきます

代理申請のとき熊本県の許可通知書を会社が受け取るまでの流れ

JCIPには、委任状をつくるときに「代理人側での通知書受領」を設定する仕組みがあり、制度上は代理人の行政書士が通知書を受け取ることもできます。ただ、国土交通省のJCIP操作マニュアルは、JCIPの設定に関わらず、行政庁によっては通知書の送付先が申請者本人だけになる(代理人あてに送れない)場合があるとしています。熊本県の場合は、許可通知書は申請した会社(本人)あてにだけ届き、代理人の行政書士は受け取れません。

そのため熊本県の場合は、当法人が代理で電子申請したときも、次の流れでお客様ご自身に通知書を受け取っていただいています。

  1. 許可が下りると、会社のJCIPに「通知書が発行されました。」という通知が届き、その通知に通知書のPDFが添付されています。当法人の側には「通知書が本人宛に発行されました。」という通知が来るので、それを受けてお客様にご連絡します
  2. お客様が、会社のGビズIDでJCIPにログインします
  3. 通知に添付された許可通知書のPDFをダウンロードして、保存します

手続が終わった代理申請のデータは、会社のGビズIDでログインすると一覧に表示され、そこからも電子交付の通知書のPDFをダウンロードできます。

GビズIDのログインの準備をしておきます

代理申請で許可通知書を受け取るためのGビズIDの準備

JCIPへのログインには、デジタル庁のGビズIDを使います。使えるのはGビズIDプライムとGビズIDメンバーで、GビズIDエントリーでは使えません。行政書士が代理で申請するときは、会社と行政書士の両方がGビズIDプライムを持ち、GビズIDの上で委任関係を設定します(JCIP操作マニュアル)。

許可通知書は会社のアカウントにだけ届くので、許可が下りたときに会社のGビズIDでログインできる状態にしておくことが大切です。ログインにはアプリ認証やワンタイムパスワードを使うので、ログインする人と、認証を受ける携帯電話・メールを、申請の段階で社内で決めておくと受け取りが止まりません。JCIPはパソコンで使うシステムで、スマートフォンは推奨環境に入っていません。

会社ごとに、別のメールアドレスで

GビズIDの公式のよくある質問は、プライムアカウントは法人ごとに取得するものとし、法人ごとに取る場合でも、同じメールアドレス(アカウントID)を複数のGビズIDアカウントで使うことはできないとしています。グループ会社でそれぞれ許可を取るなら、会社ごとに別のメールアドレスでプライムアカウントを取ります。

よくある質問

経審の通知書には電子署名があるのに許可通知書には無いのはおかしいかという質問への答え

経審の通知書には電子署名があるのに、許可通知書に無いのはおかしくないですか

おかしくありません。電子署名が付くかどうかは、行政庁や通知書の種類によって違います。熊本県の許可通知書は、署名の無いPDFがJCIPから交付される形で、そのPDFが正式な通知書です。

行政書士に許可通知書を受け取ってもらうことはできますか

熊本県の場合は、できません。制度上は代理人が受け取る設定もありますが、熊本県の許可通知書は申請した会社あてにだけ届くので、会社のGビズIDでJCIPにログインしてダウンロードしていただきます。当法人は、通知が来た時点でお客様にご連絡し、受け取り方をご案内します。

許可通知書を印刷した紙を、元請に渡してもよいですか

印刷した紙は、PDFの写しです。相手がファイルを求めるならPDFを渡し、許可番号や有効期間は企業情報検索システムでも見てもらえます。紙で公的な証明が要る場面では、許可証明書を取ります。

スマートフォンで通知書を受け取れますか

JCIPはパソコンで使うシステムです。国土交通省の操作マニュアルは、利用する端末をインターネットに接続できるパソコンとし、スマートフォンは不可としています。通知書のダウンロードも、パソコンから行います。

電子で許可を取っても、5年ごとの更新は同じですか

同じです。許可は5年ごとに更新を受けなければ効力を失い、更新の申請は有効期間が満了する日の30日前までです(建設業法第3条第3項、建設業法施行規則第5条)。通知書に書かれた許可年月日を控えて、期限を社内で管理します。

許可を取るのは2つ目の会社です。1つ目の会社のGビズIDで申請できますか

できません。GビズIDプライムは法人ごとに取るもので、申請する会社のアカウントでログインします。メールアドレスも、1つ目の会社とは別のものが要ります。

出典・参考

まとめ

  • 熊本県知事の建設業許可通知書は、JCIPからダウンロードしたPDFが正式な通知書です。電子で受け取ると、紙の通知書は届きません
  • このPDFには、印影も電子署名もありません。経審の結果通知書には電子署名が付いていますが、署名の有無は行政庁や通知書の種類で違います
  • 元請にはPDFを渡し、企業情報検索システムで許可番号や有効期間を見てもらえます。紙の証明が要るときは許可証明書を取ります
  • 代理申請でも、熊本県の場合は許可通知書が会社あてにだけ届きます。お客様にダウンロードしていただくので、会社のGビズIDでログインできるよう準備しておきます

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ノーサイド行政書士法人は、熊本の建設業許可・経営事項審査・入札参加資格申請を支援している行政書士法人です。JCIPでの電子申請にも対応しています。

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